<緒戦>
・都市に夕暮れが落ちる、風もなく穏やかで、待ちゆく人々は皆一様に笑顔で街を歩いている。人々の顔や体にところどころ羽虫が這いまわっているが誰も気にしていない。同じ街の商店街を一人の男が血相を変えて走っていく。クモオーグが後ろ手を組みながら歩いて追いかけている。異様な光景だが人々は気にもかけず談笑を続けている。まるで視界に入っていないような素振りだ。「あなたは選ばれた個体なのですよ」とクモオーグが呼びかけるが男は聞こうとしない、そのうちに壁際に追い詰められ、クモオーグはゆっくりと男に近寄ると首を追って殺す。「Be Happy」とクモオーグは呟く。
「ブウン」という機械の電源が切れたような音がした後、夕暮れの町並みは徐々に暗転する。周囲の街並みがモザイク状に散らばり、やがてその裏から廃墟のような建物が露出する。注意深く見ると小さな昆虫型の機械が廃墟に張り付くことで街並みを再現していたようだ。クモオーグが呟く。「サーバーが落ちたのか…?まさか…?」、すると遠くの暗がりにバイクが停車し、乗っていた男が下り、ヘルメットをかぶったままゆっくりと近づいてくる。ぼおっとピンク色の複眼が浮かび上がる。「お前は・・・!」クモオーグが憤る。「バッターオーグ!・・・完成していたのか!」「違う」男が言う。
「仮面ライダー」「今からそう名乗らせてもらう」男は両手を左斜め上に掲げポーズをする(ここでタイトルが出る)
「またやってる・・・」双眼鏡でポーズを決める仮面ライダーの姿を覗くルリ子、ため息をついてPCを開き索敵を開始する。
「裏切者に死を。殺せ!」クモオーグが叫ぶと、Shockerのマスクが張り付いた市民がぞろぞろと集まり、クモオーグの横に一列をなす。次のカットでは全員がマシンガンや拳銃を所持した、黒スーツの戦闘員の姿に変わり、仮面ライダーに銃口を向ける。「この世界から武器の存在は抹消したはずでは?」ルリ子が遠くのビル屋上から双眼鏡越しに呟くと、クモオーグがその声を聞き取り、双眼鏡のスコープを見据えながら言い返す「緑川ルリ子…あなたが黒幕ですね。我々は用意周到なのですよ。バッタオーグの次に殺すのは貴様だ」
武器を構える戦闘員を前にした仮面ライダー。戦闘員を前に威嚇するように大きく両腕を広げた後、真下に一気に手を下ろす。すると強烈な突風が戦闘員の頭上から足下にかけて吹きおろし、携帯していた重火器が全て地面に叩き落とされる。「その力は!?」とクモオーグが叫ぶと、仮面ライダーは右ひじをぐっと引き「ライダー・・・・!」「パンチ!」と叫ぶ。右ストレートと共に強烈な突風が吹き、戦闘員たちは吹き飛び、壁にぶつかって血しぶきを上げ全員が死滅。クモオーグは自ら足に吐いた糸により風圧に耐えている。クモオーグは感嘆の声を上げる「プラーナの風力への転用…?その逆か?」「オーグメンテーション技術の新たな進化ではないか?私にもその力を!」クモオーグが糸を吐きかけると、一旦しゃがみこんだ仮面ライダーはそのまま垂直に跳躍して糸を躱し15mの高さに飛び上がる。
「ライダーキック!」その掛け声で空中に飛んだ仮面ライダーの背面から爆風が起き、クモオーグ目掛けて蹴りこむ態勢のままミサイルのように空を切る。慌てて糸を吐いて飛び上がったクモオーグであったが、仮面ライダーの足は彼の体を捉え、そのまま地面に着弾して血しぶきが上がり、クモオーグは絶命する。直後、クモオーグの死骸を見下ろし、本郷猛はマスク外してその死骸を見つめる。
「ひどいわね」近づいてきたルリ子がクモオーグの死骸を一瞥して言う。「死んでも泡にならない」と本郷が問うと、ルリ子はあきれたような顔で言う「このエリアの町の擬態が解けたのよ。死体は死体のまま、いずれ野犬に食われバクテリアに溶かされる、これが生命本来の姿なの」本郷は呆然としながら言う「人を殺した…だけど…全く躊躇いを感じなかった」「ところであれ何なの?」「何が」「あのへんなポーズ」「あれは、体が自然と動いて…なんだか気合いが入るんだ」「プラーナをより有効に使うためのプラシーボ効果のようなものかしらね」ゆっくり近づいて本郷の首に赤いスカーフを巻く。「ヒーローの証。似合っているじゃない」「僕はどうすればいい」「気にすることないわ。あんなのただの害虫よ」立ちすくむ本郷。
「次はハチオーグよ」
人類は地球温暖化による異常気象で、文明を維持することが出来ず絶滅の一途にあったのだが、外星人の力により、過酷な環境に耐えうる昆虫の力を全ての人類に組み込むことで、人類の判断能力を低下させ、昆虫型ホログラムで擬態した架空の都市に人々をつなぎ止め、外星人の用意した管理システム(Shocker)を核に人類社会を再形成するに至っていた。尚、統制された人類は共同体に属しているという強烈な多幸感を感じている。(※尚、外星人は超常の存在として存在しているため、あえて人類を救済した意図は描かない)
ほとんどの人類がそのシステムに飲み込まれたが、まれにプラーナの保有量が多く洗脳を受け付けない個体が発生するため、そうした個体はオーグメンテーション手術により強化された個体として生まれ変わり、Shockerのシステムエラーを防ぐ警備兵として存在することになる。
尚、人類の首脳がその権限を外星人に託す際、人類最後のテクノロジーによって生まれた、外世界観測用ロボット「K」を仮初めの人類社会の行く末を見守る存在としてShockerに預けている。
ルリ子の衝撃の告白。絶望に打ちひしがれ言葉を無くす一文字。自分が無く、何故戦うのかもわからず、どうしてもいいかわからない本郷は泣き笑いのような顔を浮かべ、顔を見られたくないのでマスクを被る。
<最終決戦>
飼われた人類に永遠の幸福を与えることを決意した緑川イチローと本郷・一文字の最終決戦。一文字は人類の洗脳を説くことが本当に幸福なのかまだ迷っている。
「いったい何を…」「奴を引き付けておいてくれ」と言うや否や、本郷はサイクロン号に飛び乗り、イチローの有する巨大なスキャナー装置の光線を受ける。「本郷!」一文字が叫ぶ。本郷が一文字をまっすぐ見据えてかすかに笑う。途端に本郷の全身が泡となって消えてしまう。
直後、仮初めの人類社会に異変が起こる。ショッカー戦闘員が「イー!」と叫んで平和な町を破壊し、人々は個々の生存を守るため、希望を求めて逃げまどう。仮初めの世界の人類に感情が戻ったかのようだ。「馬鹿な!本郷、いや仮面ライダーの存在をShockerのプログラムに書き込んだのか!?」狼狽するイチロー、遠くで傍観する「K」に向かって叫ぶ「この事態は人類の行く道ではない!想定外だ、プログラムをひとつ前に戻せ、K!」Kが言う。「私はShockerを抜けたルリ子と本郷の姿を興味深いと思った。人は孤独で、自分の感情がわからないほど矛盾していても幸せだと知った」「馬鹿な、ついに人類の究極の幸福を見出したというのに!」「この寂しい世界を受け入れようイチロー」
Shockerのサーバーが異常値に耐え切れずヒートダウンする。最終決戦の空間もこれまでの戦闘に耐え切れず瓦解し全てが暗転する。
<ラストシーン>
「聞こえるか本郷」
「ああ」
「生きていたんだな」
一文字は新型のサイクロン号に乗り、廃墟と化した現実の地球を疾駆する。
一方、再起動したShockerプログラムの中、仮初めの人類社会の中に怪人が現れ、仮面ライダー1号がサイクロン号に乗ってやってくる
「ああ、いい風だ、共に力を合わせてShockerを倒そう!」
ジャーン!!
なにこれコピペ?朝からきっついわ