はてなキーワード: 小千谷とは
長岡市の中心部にある会社に向かうルートは、大きく分けて3つ。土手道、旧国道、国道8号。
他に田んぼ道・広域農道があるが、正直詳しくないので通りたく無い。
土手道は雪が降ったら皆が口を揃えて「危ないから通るな」という危険な道であるが、その分車が少ない穴場だ。なぜか除雪されてる率も高い。
しかし、出口が問題である。土手道を降りた先は(私の会社に向かう場合)旧国道だ。旧国道は消雪パイプが設置されているので、雪が降っても100%通れる。その為、120%混むのである。Googleマップで混雑具合を確認しても赤、血が乾いたような不吉な色である。案の定、土手道との合流地点付近もやばい。旧国を行く場合は、とんでもない時間がかかることを覚悟しなければならない。今日はもうとっくに普段の出勤時間を過ぎている。「雪のせいで家から出られません」と言って雪かきをしていたせいだが、これから2時間以上車中で過ごすのは勘弁願いたい。(以前の大雪で旧国道を使った際、2時間以上かかった)
そうなると残るは8号だ。8号は腐っても国道で2車線あるせいか、旧国道より早かったりする。しかし道路状況は悪いことが多い。消雪パイプが無い為、圧雪で道がガッタガタの悪路と化すのだ。つまり、どこも通りたく無い。上越の綺麗な除雪が懐かしい。故郷は一晩で1メートル降るのも普通な場所だったが、雪道で困ったことは案外少ない。道が少ない分、丁寧に除雪してくれるのだ。長岡は道が多い。故にスピード重視で雪を押してどかす。そのせいで道はガッタガタになるのだ。勘弁してくれ。
家の除雪が終わった後も1時間くらいダラダラしていたが、ライブカメラやLINEの情報を見て、いけそうなルートを見つけたので動くことにした。
別にリモートをしてもいいのだが、家では仕事をする気になれないし、買い物もしたかった。不要不急だが、この時はそんな注意は何処からも出ていなかった。
どうしても渋滞する道を通るので、準備をしっかりとした。iPod、予備のバッテリー、お菓子、飲み物。飲み物はちょっといいスティックコーヒーをタンブラーに入れて行った。渋滞に捕まったらこれとお菓子でお茶をするのだ。iPodは車中カラオケ用だ。除雪道具は初雪が降った時に乗せたので問題無い。
ライブカメラで車の流れ具合を再確認し、出発した。私のプランはこうだ。会社の近くまで旧国道、途中で8号に出て渋滞の中を進み、会社近くの交差点まで行く。そこから先は普通に通れると会社のグループLINEで確認済みである。
道程は順調だった。車中カラオケを楽しみつつ旧国道へ合流。Googleマップは嘘も多いが、今回は当たりで、渋滞もなくスムーズに流れた。ほとんどの会社の出社時間を過ぎているのだから当然か。8号へ向かう道は真っ赤だったが、こちらは1、2台とすれ違っただけでガラガラだった。コーヒーに口をつける暇がない。だがやはり8号に入ったら渋滞で、ここでようやくコーヒーに口をつけた。遅いが、ちゃんと流れているのでお菓子を食べるのは無理だった。途中除雪車に道を譲りつつ、会社に到着した。
リザルトは40分。まあまあだ。5年位前の豪雪の時は最速ルートを探して試行錯誤できるくらい長く雪が降ったが、今回はすぐ落ち着きそうだ。再挑戦は無理だろう。
せっかく職場に来たのに大した仕事は無く、弁当が届かずお腹を空かせていた同僚にお菓子をあげて帰った。帰りの8号はスッカスカだったので、そのまま家の近くまで行った。反対車線は完全に死んでいた。トラックがたくさん並んで高速道路のようだった。てっきり川崎あたりから渋滞しているのだろうと思っていたが、17号まで続いていると後に知って驚いた。小千谷の入り口の妙見で2つの大きな道に別れるから、いくらでも迂回できそうに思えたのだが。
そうそう、買い物もちゃんとできた。悪天候の日は客が少ないので、見切り品が大量にあるだろうとの読みだったが、当たった。半額のカニ入り寄せ鍋セットを購入し、晩御飯は豪華な鍋だった。近所の人からもらったネギと白菜も入れた。海鮮に肉、きっと雪かきで傷ついた筋肉を補修してくれるに違いない。
いや〜しかし誰も定時にたどり着け無い会社に向かうタイムアタック、久々だったな!こういうイベントがあるから雪国はやめられないぜ!
蕨変電所の火災でJR線が止まってる問題だが、これは直ぐには復旧できない。恐らく世の人が思っている以上に大きな事故なんである。
何故なら蕨変電所は普通の変電所と違ってハブになる変電所なので東京の1/3の路線に送電できなくなるからなのだ。
その影響は過去の事例から見て不通の解消に1日程度、つまり明日の朝は東京北部のJR線は走らないと考える。
そしてダイヤの大幅な乱れや並行私鉄線の殺人的な混雑は1週間程度続くと思われる。
まず、送電というのは発電所--変電所--変電所--変圧器(電柱の上)--家 となってるのだが、鉄道の場合はちょっと違う。電車が直流で走るからだ(関東以西)。
電力会社の変電所--鉄道会社の直流変電所(ここで交流→直流化する)--架線
国鉄はコストダウンの為に大需要地である東京での電力の自家調達に努めた。因みに見る角度で本数が変わる「千住のお化け煙突」っていうのは千住の国鉄石炭火力発電所の事だったのよ。
それが
・川崎火力発電所(火力/ガスタービン式、燃料はパイプライン供給の天然ガス/鶴見線扇町駅近く)
・信濃川発電所--武蔵境交流発電所(中央線武蔵境駅近くで見える巨大変電所)--沢山の直流発電所--架線
・川崎火力発電所--鶴見交流変電所(湘南新宿ラインで東海道線から分かれて直ぐに見える巨大変電所)--沢山の直流発電所--架線
となっている。そしてもう一つが今回問題の蕨で
・東京電力(パワーグリッド)鳩ケ谷変電所(岩槻街道沿いの超巨大変電所)--JR蕨交流変電所(蕨-西川口間にあるが少し線路からは離れている)--沢山の直流発電所--架線
となっている。
そして各系統間で電力を融通する為の「連系線」というのが、蕨--武蔵境--鶴見と各交流変電所間にあるんである。蕨交流変電所の隣を電車で通ると「JR蕨」って書いた鉄塔が見えるが、あれが蕨--武蔵境の連系線の鉄塔だ。(東電鳩ケ谷-JR蕨間は地下ケーブル)
因みに福一原発事故で外部交流電源途絶といった時の外部電源はこの連系線の事だよ。
ここで重要なのは、電気は各系統のを混ぜて使うって事は出来ない。
何故なら発電所は交流で位相(+と-が入れ替わる周期)が合っていない。それを「混ぜ」ようとすると打ち消しあって電力が減るし、それ以前にショートと同じだから送電線が爆発する。
だから連系線の電気を使う時は交流変電所から直流変電所への系統ごと切り替えるんだな。
こういう訳なので、架線も直流変電所ごとに区切ってある。その区切りが「エアセクション」ってやつ(架線が変電所系統ごとに平行に張ってある)。よく「エアセクションで電車が止まって立往生」になるのはこういう訳で、変電所毎の区切りをゆっくり進んでしまうとパンタグラフで各系統をショートさせた形になるから過熱して溶けたり燃えたり爆発する訳だ。
ここまで読んでもらったら、蕨交流変電所の復旧が2ステージに分かれる事が判るだろう。
過去に新宿直流変電所が爆発してとんでもない混乱が発生したことがある。山手線が中央線と合流する直前にその間に挟まるように白青の変電所が見えるが、あれが新宿直流変電所。事故以前は小さくてぼろっちい建屋だった。
1994年12月11日は冬の嵐で、多摩地区などでは雷が発生して交通網が混乱していた。そんな中、新宿変電所が漏電により出火。消防隊が臨場したが電気火災なので水を掛ける事ができない。そこでJR社員が遮断しようとしたがもう破壊され尽くしていて不可能。
すると上流の武蔵境交流変電所で遮断するしかありませんな。変電所火災は放っておくと変電器などが破裂して中の絶縁油に引火して大火災になっていきます。
ハブになっている武蔵境で遮断したら当然、東京中の路線も駅も停電して大混乱ですわ。因みにJRの場合は新宿にあるJR病院や本社ビルまで停電しちゃうのな。
それでやっと消火したけど新宿変電所は20万Vで溶接機振り回したような状態で建屋も完全破壊。復旧不可能ですわ。
仕方ないので新宿変電所を切り離す工事をして仮復旧。これで武蔵境から他の変電所に送電できるようになった。これに一日掛かってる。でも電力が足りないので相当な間引き運転で、振替先の私鉄地下鉄各線殺人ラッシュに。
次に新宿が受電してた送電線を他の変電所につなげる分散工事をして復旧。これで普通の運転間隔に戻せた。これが1週間。
話の脱線なんだが、新宿変電所を立て直す際にJRは送電の容量アップ、冗長化を進めたのね。それはインフラ企業として正しい事。
でも冗長性は普段は遊びになっちゃう。そして蕨からの送電は東電への電力料金が発生する。鶴見の発電は天然ガス代の支払いが発生する。信濃川はタダだ。連系系フルに活用できるだけのインフラも増強した。但し取水制限がある…。
という訳で「冗長化した設備の有効活用」が動機になってああいう不正をするようになっちゃったって面があるのよね。
新宿発電所の事故はこんだけ大変だったのだが、新宿はスター型結線の末端(少しハブの機能もあった)。
それに引き換え、蕨は大本のハブなのだ。今回の自体の深刻さが判って頂けただろうか?
望みは連系線フル活用できるように冗長構成がされていて信濃川でインチキしていた頃の取水をすれば被害を減縮出来そうってところ。
明日あたりに国に「蕨壊れちゃった…」と言って取水量大幅アップの許可取るのでは?それと川崎火力のタービン全開にしたら運転間隔半分までにはしないで済むかもしれない。
増田の家は東京北部なんだけど、昼過ぎに2度瞬停があって一瞬暗くなり、デスクトップパソコンは落ちなかったが電子制御の扇風機は動作不安定になった。
今考えるとあれが蕨での事故の瞬間と東電鳩ケ谷の遮断の瞬間だったのかなと。
蕨交流変電所の役目知らない人は「何時復旧するの」とイライラするが、知ってたら諦めた方が良いと判るね。
それでも会社に行かねばならない人は線路脇の送電装置類を眺めてその機能を調べて時間を潰したらどうだろう?電車撮ってる鉄オタは白い目で見られるけど、送電系が気になる銅オタは白眼視されないのでおススメです。