はてなキーワード: 皮算用とは
なぜなら主人公は「ひたすら恵まれている」ハイポジションリベラル女子」だから。日頃から女はズルいと怒り呆れがちな人たちが真っ先に鼻で笑うタイプの恵まれた女だから。
ドラマの主人公の寅子は、投資銀行に勤める父と良妻賢母の母という大正~昭和初期のアッパークラスの、それもリベラル色の強い理解あるご家庭に生まれて、その潤沢な社会資本を余すことなく享受して弁護士の道を自由に邁進している。そして勉強大好きで周囲が態度を変えるほど頭が良く生まれついてもいる。そして子供のころから正義感がある。家柄が良くまっすぐ育った明るい優等生。
大学に行っても目立つタイプ、拗らせミソジニーを発動する拗らせエリートの同級生男子が、いつの間にかそのまっすぐな人柄にやられて好意を抱いたりする程度にはモテる。
寅子の家には、父が面倒を見ている司法試験合格を目指す書生がいて(アッパークラスのご家庭ならでは)この書生とも「私たち同じ道を進む仲間よね」という異性友達ムーブをぶちかましているが、書生は寅子に片思いである。そしてこの書生よりも寅子の方が圧倒的学力がある。要するに立場的にも、恋愛的にも経済的にも非対称性が生じている年上の男性を寅子は「異性の友人」として遇している。中々のタマである。
寅子は、前述した好意を抱かれていた拗らせエリートに「彼女に結婚してくれとはいえない、彼女の夢を奪うことになるから」と思われて振られてしまうのだが、それまでどっちつかずの態度だったくせにいざ振られるとショックを受けたりするし、せっかく弁護士になったのに依頼が来ないのは私が結婚していない(社会的信用がない)からだ、と思いつき慌てて縁談を探してもらうがうまく行かない。そりゃそうだ。
ところが助け舟で、寅子に片思いしていた家の書生から結婚をしたいと言われる。渡りに船と逃げ恥のような「条件偽結婚」だと思い込みスピード結婚を承諾するが、前述のとおり書生は寅子に片思いしていたわけで、初夜にぬいペニ状態となる。かわいそうな仲野太賀…。
と、寅子の痛さを中心に4月にドラマが始まって今日までの1カ月半を振り返った。フェミニスト嫌いの諸氏や、女はずるいと常々思っている諸氏が叩き放題の「豊かさという下駄を履いて産まれた恵まれた女様」それが寅子である。伊藤沙莉が演じていなかったら大変なことになっていたと思う。
「虎と翼」は、現代の問題を昭和初期の物語に練り込んでいる疑似歴史感が臭うドラマだが、一方でモデルになっている三淵嘉子は実在の人で、ドラマにおける寅子のキャリアや背景はモデルのそれをなぞっている。恵まれたリベラルな家に生まれて弁護士になり、戦争の時代に突入し、色々あって戦後は日本初の裁判官になるスーパーウーマンである。
ドラマの寅子も恵まれた家に生まれ、厳然とした性差別がある世界を、明るく、元気に、強気に突き進んでいく。そして突き進む中で彼女は、自分が周囲と比べ恵まれていること、「自由に選択ができるという」下駄を履いて生まれてきたことを徐々に自覚していく。
寅子が持って生まれた豊かな資源は、裏返せば、女に人権がなかった時代には、ここまで特権的に恵まれてなければ法曹界で働く道を切り拓くことができなかった、ということの証左だ。そしてこれを現在に照らせば、形式上は男女平等になった現在の女は寅子に比べれば矜持や頑張りが足りない、という振り返りもできるし、現在でもまだまだ形式的にしか男女の機会平等は達成されていないよなと振り返ることもできる(医大の入試における性差別不正はつい最近の出来事だが、あの時は差別だと批判する意見と、女はズルいから消耗が強い診療科を選ばないため合理的配慮だという意見に二分されていた)。
これは、女性に人権がなかった頃を引き摺って今も残る男性優位の古い価値観を、改めてマーカーでなぞっていく作業であり、同時に現代の女が抱える特権性の問題も照らし出す作業でもある。
そしてドラマの中では、現代にもしっかり残っている、個人の幸福を削るような価値観を改めて再発見することになる。
「結婚しなければ社会的信用が得られない」、「エリート男が生きていくには従順に従う女が必要」、「女の弁護士なんて信用できない」、「自分より優秀な女は生意気で目障りだ」、「適齢期を過ぎると縁談がない」、「人は生まれた国や家や身分に縛られる」、「平等を求める声は不平等の利益を享受する側には届かない」、「上品な批判は下品な妬みには勝てない」、「お金がないと社会的意義の高い仕事につけない」などなど。昨日どこかのSNSでだれかがぼやいていそうな内容である。
これらは女だけではなく、男も同様に削られる呪いの価値観である。学友たちはこの呪いの価値観によって法曹界で働くという夢を立たれていき、寅子は弱い立場に置かれた人を助けたいという正義の実践に加えて、諦めなくてはならなかった仲間への思いを「使命」として背負う人生を選ぶことになる。
不平等と戦うに十分な恵まれた武器を持って生まれて、更に先駆者の使命を背負った寅子は、おそらく来週からの戦争ターンではどんどん「恵まれていたもの」を奪われていくことになるのだと思う。世紀の愚戦・負け戦の太平洋戦争ってそういうものだったから。男は戦争に行くし残った老人や女子供は空爆にさらされる。男も女も人がたくさん死に経済活動は退潮する。
その時でも寅子は「正義」と「使命」をもって生きていくのだろうと思う。モデルの三淵さんは生き残ったし、何しろドラマの主人公なので正義や使命は捨てないだろう笑。
たくさんのものを奪われてなお「正義」と「使命」を失わない女がどんな生き方をするのかのドラマを私はとても楽しみにしている。
そして、形式上の機会が平等になった世界で、これまでずっと恵まれていたはずのものをどんどん奪われ不満が溜まっている人たち、「女は狡い」、「現代の女は特権階級だ」と思っている人こそ、奪われても正義と使命を捨てなかった人のドラマを見てほしいと思う。
フェミニズムドラマくっさー、と思う人も多かろうが、お勧めしたいのには、単純にドラマとして良くできているのもある。
寅子は「戦う女戦士」みたいな感じではまったくなく、前述通りそこそこの空気読めないわがままな、脇の甘い生き方をしていて、いちいちナレーションに突っ込まれている。ナレーションは尾野真千子で、芝居がかったナレーションだがコメディの良い味付けになっている。
寅子の両親や兄夫婦は明治の家族観(男が働き女は家を守る)できわめて円満な夫婦関係に描かれている。一方で嫁姑のちょっとしたストレスも描かれたり。父は帝人事件(疑獄事件)の当事者になり、リベラルなエリートの父親が会社での立場に縛られる姿をシリアスに描いてもいる。
また、法曹界への女性の進出を後押しする立場であるリベラル派の教授や弁護士がしっかりと性差別をしていてフェミニズムにおける父権の問題を提示していたりもして、本当に痒い所にまで手に届く配慮がされている。セリフやシーンの伏線もとても豊かでドラマとして見ていて普通に面白い。出演者はみな手練れの俳優だらけで演技へのストレスはほぼない。
フェミニズムドラマとしての側面については、あまりブコメが集まっていなかったがこの記事の分析がとても分かり易かったhttps://bunshun.jp/articles/-/70764 これ読むと「女のためだけのドラマ」じゃないことがよくわかると思う。
ところで最後に全然話は変わるのだが、昭和初期というのは実はWWIIをジャンプして戦後と地続きになっていたかなり民主的かつ退廃的な時代だったらしい。「富国強兵」を叫んで強国を目指していた大日本帝国から現代にいたるGDPの推計推移をみると「戦争が無かったらこのグラフの線が素直に上がっていたのではないだろうか」と感じさせるラインが描かれる(https://www.nippon.com/ja/in-depth/a04003/ 中ほどのグラフ)。まあ実際は戦争しないと色々糞づまっていたわけで後付けの皮算用でしかないが。
ともかく、人が自由を求めそして退廃を享受できる程度の十分な豊かさが生まれていたのが大正末期から昭和初期の時代。ちょうど朝ドラで描かれているこの時代は、結構現代に近い時代だったりもする。
しかし、このニッポンドットコムは笹川財団由来のかなり右寄りの情報サイトなのだが、それでも「高度成長期のストックは90年代で尽きてその後の策がねえぞ」という分析になっているのが、ちょっとだけ面白いですね。
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年収600万円の公務員(会社員)は自営業年収600万円と比較して、源泉徴収票の年収に含まれない会社負担部分の厚生年金、介護保険、健康保険料107万円の差額がある。
更に退職金として2000万円超の支給を見込めるが、現在の税制で勤続38年だと2060万円までの退職金は完全無税で受取できるため、自営業3000万円相当の収入と計算でき、年収ベース78万円加算。
年収600万円の平均的な公務員と同等の賃金を自営業で得るには、785万円稼ぐ必要がある。
◯マルチタレントとして本業にこだわらず、関連類似の職能を積極的に取得しはたらく。
原画も、グッズも、プリントも売るし、依頼の商業仕事もこなす。SNSは売名目的と意識してやる。
そもそも自分で絵を描く事にこだわらず、自分の絵をAIに学習させてAIに描かせる商業原画を受注するとかもやるぐらいのアグレッシブさは欲しい。自分で自分を雇って使いこむ間隔。
◯東京(海外)に類似の仕事があるが、その地方では誰もやってはいないが需要のありそうな仕事や仕事のやり方をする。
◯時給2500円以上の皮算用ができない仕事は最初から受けてはいけない。ただし、広告宣伝に目的の場合は除く。
最初は不足してる美味しい部分だけやるから利益率が高くても、仕事がデカくなると他者と単価競争が出て、粗利は減る傾向がある。
最終的に自分がいる場所において周辺のお客様と利益を共有できる(お客様が希望している)のは何か?
やりながら、引きが強い物を育てていく。
私の場合、絵を描く事より絵を買う事で、社会の中に絵を描く仕事のタネを残して行きたいと思っている。ただ、無価値な絵を買っているので死後買った絵はほとんど残らないだろうが、文化としてそれは引き継がれていく。
社会に絵を残す。社会的的に自分を残す。生きている限り何もしなくても何かは残る。
フリーイラストサイトのTwitter とインスタアカウントを作り毎日投稿、サイトの方は週1回ペースで更新ていく。実際の製作は月3日20時間(5分で1個20時間で240個)ぐらいで行いアップ作業は後日やる。まず1年間回した所で、lineスタンプの制作、「いらすとや」といつワードで検索広告を月5万円使い、フリーイラスト探してる人をサイトへ誘導して、サイトからSNSアカウントへも誘導し、フォロワーを増やす。とにかくフォロワーを増やすために、同人イベントなんかにも出てみる。
チェコ絵本風という切り口なので、いらすとやとは差別化できる。基本はいらすとやを良く見て、カットイラストとして使いやすさと検索ワードに反応しやすいバリエーションを意識する。
いらすとやは10年で25000個描いてるので、最初の1年で2500個を絶対作る。上手く行きそうなら、2年めから5000個作る。3年で12500個のイラストサイトができる。
やっとの思いで始まった初連載
「いいですね!この方向性でいきましょう!」と言われたときは数カ月後には連載開始すると思っていた
「数話分書き溜めましょう!」「今ちょっと枠がないので・・・」「キリの良いところで始めましょう」
気づいたら2年経っていた
しかし体力がないので何日も働くと漫画を描く気力がなくなってしまう
連載始まったらすぐに返せるはずだ、とリボ払い
いつの間にか90万になっていて肝を冷やした
念願の連載が始まったらもうあっという間
びっくりするぐらい反応がない
え?どういうこと?
連載が始まったら徐々に増えるんだろうと高を括っていた
結果は4年で連載打ち切り
本当はもっと早く終わってもよかっただろう
しかし、その期待には応えられず
それが2年前
数カ月は茫然自失としていた
しかし次の連載を掴み取らねば!と奮い立たせた
新しいネームを送ってもぜんぜん構ってくれない
まったく収入がなく、新連載の見込みもなく、貯金が底をつきそうになっている
終わった・・・
もう完全に燃え尽きた
やりきったよ、俺は俺の才能で
もう安定がしたい
恋がしたい
家族を持ちたい
就職しようと思う
こんな才能に乏しい俺にも夢を見させてくれてありがとう
4年もマンガだけで生活できたことを人生の勲章にすることにするよ
打ち砕かれたよ
期間工はゴールだからな、その前に派遣で工場を1~2カ所経験しときたいねんな
ちなWワーク4カ月(定刻に起きてどっかに通い続けることに慣れる)→派遣工6ヶ月~1年(交代制と工場勤務に慣れる、交代制が厳しいようなら考え直す)→期間工を50歳ぐらいまで→施設警備員みたいな感じで考えてるやで、免許は有るけど運転できないんで正規雇用の可能性は一切考えてない、それに
・挨拶等はできるが雑談ができず人間関係を構築および維持できない
・超内向的
・相談できる人の確保
このへん解決できないと正規雇用も糞もないし期間工に行ってもたぶんメンタル的に潰れる
私遂にやったわよ!
そうなのよ。
ついに私も四神獣倒したのよ!全部!
ある意味四神獣の力を得てハイラル城に乗り込むので事務所総出と言っても過言の言い過ぎではないわよね。
でもなんか助言くれるじゃん!それ聞いてハッと閃くのよ!そしたら即倒せちゃったというか!
ほとんど四神獣のところに関しては自分で考えて攻略しよう!って攻略サイトはノールック!
私にも倒せたんだ出来たんだ!ってことがまず凄いわ。
あと大きなルービックキューブの中にいて自分が中から操作してパズルを解いて起動装置を起動させるギミックも悩みまくりまくりすてぃーよ!
そして、
そして私の腕前が上がったと言うより
プレイがポンコツでもハートの回復量で押し切れる!これでいいのかしら?って思っちゃうけど、
しかもお料理をレシィピ覚えたらそれの料理を何個もアイテム持って作って持って行けば
向かうところ敵なしよ!敵いるけど!
でも強いは強い敵だけど、
電撃で敵を痺れさせるのとマスターソードも手に入れたので、
これ以上武器持てない!ってケースの方が多いわよね今の状況じゃ。
でもマスターソード見つけてやったー!って思って抜こうとしたら1回死んじゃってまだまだ修行が足りないのね!って出直したことも懐かしい思い出だわ。
ほぼまだ探索は進めてないけど、
ここで一旦中断ね!
もうちょっとつーかしばらくハイラル城探索でまたこれ時間が掛かりそうよ。
そんでさー
ぜんぜん行ってない未踏の地がたくさんあって、
散々歩きまくったのに、
まだ行ってない地域や道が多すぎて、
これハイラル城行く前にいろいろと行ってないところの景色だけを見ているだけでも恐ろしくまた時間を費やしそうよ。
あと馬捕まえて乗ってないので、
馬もあったら便利かも?って思うし
なんだかんだでやることがいっぱいまだあるわ。
ふらふらとして冒険しているのには変わりないのよね。
これ本当に終わるのかしら?
あれあるじゃない、
ゼルダのこの100年前の話しの無双のやつと今出ている新しいゼルダもあるし、
うーん、
まだハイラル城攻略もしていないのに皮算用的な話ししてるわよね。
まあなにしろ!
私にも四神獣倒せた!ってことに感動!
一旦四神獣倒したと共にハイラル城にもちょっとだけ上陸したことをここにお伝えして
次の長いお休みの時期に
それまでプレイを今さら中断する勇気はあるのかしら?って思うけど
不可能は無理とされていたゼルダが結構いいところまで進められた奇跡!
うふふ。
軽めだけどソーセージとマスタードのパンチのある味が効くわー!
ちゃんと電子レンジで温めて食べるといっそう美味しさが増すので
今朝はうんと寒くって、
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
超大手が原稿料見せてドヤってるけどさ、普通に安いよ。他のとこならもっと安いって事でしょ。漫画業界こんな程度かって絶望するよね。
しかも熾烈な連載競争に勝ち抜いてこれだよ。しかもプロ漫画家引き抜きの条件で白黒1ページ約2万だからな(笑) 公表したらダメなやつでしょこれ。業界失墜だよね普通に。
増田が教えてくれたけど週間連載19Pで1P2万計算で週38万、月で152万、年で1976万+単行本の印税プラス。
100歩譲って出来たとして、個人なら1976万で良いと思うけどアシスタント雇ったら半分くらい減るぞ。これ無理でしょ。。。
しかも8週で打ち切りなら304万。本当に思い出記念レベルで終わるぞ。
まーそれでもタダでも連載したい人達が沢山居るから成り立つ業界だよな。なんか外から見てて可哀想になって来た。実家が太く無いと漫画家なんて無理だろ。哀れすぎる。
家族が漫画家になりたいとか言い出したら全力で止めた方が良いと思う。リスクばかりで未来が無さすぎる。それでもなりたい人は誰にも言わず練習して応募して活動するだろうし。俺は止まんねぇからよ、止まるんじゃねぇぞ…
※タイトルに「うっかり」と書く程度には地雷が豊富な話題です。やたらめったらに人を傷つけたくはないです。「うっかり妊娠」がグサッときた人は読まない方が良いと思います。
結婚8年、夫婦二人暮らし。最近性生活はお互い淡白だったのにたまたま気が向いて、クリスマスイブに数か月ぶりにセックスした。ベタすぎて恥ずかしい。
中学生みたいなバカな言い訳をさせてほしい。「コンドームはちゃんとしてたんです!」
夫は勃起不全気味な上に早漏で、装着時間は確かに短かったかもしれない。が二人で思い返してみても陰茎と膣が生で接触していたタイミングは殆ど無かったように記憶しており(挿入時はずっと装着していたし素股もしていない)、一体全体夫の精子がどうやって私の卵管まで到達したのか皆目見当がつかない。挿入時に夫の分泌液が付いた手でちょっと私の膣の入口を触ったとかはあったかもしれない。あとは口淫のとき…?そのくらいしか原因が浮かばない。いい歳して情けない。
私は年明け早々1週間遠方へ出張に行き、帰ってきても出張疲れがいつまで経ってもとれないなぁ、風邪ひいたかもなぁと思いながらゴロゴロしていた。しかも生理が始まらない。そんな馬鹿なと思いつつ妊娠検査薬を試したら一瞬で線が表れた。目の前が真っ暗になりながら帰宅した夫に玄関で検査薬の線を見せた。彼も唖然としながら「セックスって本当に交尾なんだね…」と馬鹿みたいな台詞をこぼした。はは…わかる……(全然笑い事じゃない)
コンドーム以外の避妊も同時に行わなかったことを激しく後悔した。ピルで体調を崩したことがあるので私はピルは飲めない。それなら、セックスの頻度が減っていたとしても子宮内避妊具も選択すべきだった。何もかも後の祭りである。最悪の気分だった。
2日後二人で半休をとり近所の産婦人科へ胎嚢と心拍を確認しにいった。げ。やっぱり妊娠していた。帰宅後、午後出勤までの30分間で夫と軽く話した。「せっかくできた命が勿体ない」といった生半可な気持ちで妊娠を継続してはいけない認識だけお互い再確認して、とりあえず午後の仕事にとりかかった。とにかく時間がない。産むか、中絶か。早く結論を出さなければと焦り、その日は全然仕事が手につかなかった。
私達は子無し派だ。周りにも「子ども自体は好き」を添えてそう伝えてきた。大いに働いて、人並みよりちょぴり多めに稼いでその分しっかり納税してきたし、時短勤務による仕事の肩代わりもまぁそんなもんだろうと特に何の抵抗感も無くこなしてきた。そのお陰かは分からないがお互いちょっぴり昇進もさせてもらってきた。こっちは将来に向けてコツコツ貯金しておくから税金は子どもにじゃんじゃん使って欲しい、なんなら(現実的には難しいが)子無し税や、もっと大胆な妊活助成金・給付金を創設してくれよと思うくらいには「子持ち応援寄りの子無し派」で生きてきたつもりだ。
そうまでしても子どもを持ちたくなかったのは、かいつまんで言うともう夫は将来に向けて暮らしのイメージが固まっており(私もそのイメージにとても共感していた)子を持つと実現が金銭的に難しくなるのは明らかだったからで、私の場合は親族含め実親…特に父親がかなりアレな人で(よくあるパターン乙)自分が親になって子育ての苦労を知ることで実親を赦す感情が芽生えるのが恐ろしかったからである。
混乱の胎嚢心拍確認日から2週間、毎晩夫が帰宅してから子どもがいる人生(産む選択)と子どもがいない人生(中絶し避妊具を装着し続ける選択)、どっちを選択するか話し合った。
個人・共有資産を細々と洗い出したり、現在の仕事のポジションや夢を出し合ってお互いの将来性を皮算用してみたり、将来の暮らしのイメージをもう一回言語化してみたり、子ども時代にどういった教育を受けてきたのか振り返ったりしながら子無しの人生を継続していくことでどんな楽しみが待っていると感じるか…。それはそれとして、先述の「子どもを持ちたくない理由」をクリアするためには何をしなければいけないか、その上で何を諦めることになるか、諦める内容は納得できることなのか等々……
泣いたりイライラしたり、とりとめのない話を挟みながらひたすら意見を出し合った。今思うとサクッと中絶を選ばなかったのは、既に子に対する情みたいなものが生まれていたからなのかもしれない……
2週間話した結果、夫が持つ将来に向けての暮らしのイメージが叶えられなくなる懸念については「将来のイメージは結局のところ増田ちゃんと一緒に年老いていくのを楽しむために今まで抱いてきたもので…だから形が変わっても増田ちゃんが一緒なら楽しめるのではないかと、話し合いを進める中で思うようになってきた。だから子供を持とう」と、夫は結論付けてくれた。
私も2週間話し合いを進める中で「おや?これは子を産んでも、少なくとも父親は良い人だからなんとかなるのでは…?」という気持ちが生まれてきていた。自分が良い親になれるかは分からない。全然そんな自信がない。しかし少なくとも父親はまともだ。夫と子に向き合うことで全然違う親像を学べるような、そんな気がした。そこで「子どもを持つ」ことは絶対確定事項とし、私たちは振り返らずに走り出すことにした。どんな子が生まれようと結局話し合いで出た結論に戻るだろう、とお互い考えたので出生前診断もやめた。
私の子どもを持ちたくない理由(自分が親になって子育ての苦労を知ることで実親を赦す感情が芽生えるのが恐ろしい)は、妊娠生活の中で徐々に噛み砕かれていった。
妊娠は何十、何百回も「人による」を実感させられる現象だ。妊娠に伴うマイナートラブルをスマホで調べると無数の妊娠レポが出てきて、そのどれもがちょっとずつ違った。私と似たような体験をした人もいれば正反対の症状に苦しんでいる人もザラにいた。私は徐々に他人の投稿した妊娠レポを参考にしなくなり、そうしているうちに私の親がした子育ても、ネットに無数に漂う妊娠レポ達と同程度なのではと思うようになっていった。
毒親育ちの人に「自分の人生を生きましょう」なんて言葉がかけられがちだが、それができたら苦労しないでしょ、これだから恵まれた人間は…と私は常々思ってきた。が、毎日のように「人による」を実感させられると、なるほどそうとしか思えなくなるものだ。私もこれから子育ての苦労を何度も何度も味わうことになるだろう。でも親が行った子育ての苦労に思いを馳せる必要はない。なぜなら「人による」から。あの人はあの人で勝手に子どもを作って勝手に育てただけだ。私の腹から出てくるのは私ではない。ただただ反面教師にして私も勝手にすりゃいい、と今は思っている。
正直まだ赤ちゃんがカワイイとかそういう感情は今一つわからない。でも生んだらあとはもう一心不乱に夫と走るしかなくて、走って走って、気が付いたら10年20年が経っているような予感がしている。
子どもは今月のどこかで生まれる予定で、まだどんな子かはわからない。その分、頭でっかちになれるのは今のうちだと思ったので書いてみた。
子が1歳になったときにこの増田を読み返して「こんなバカなこと頭の中で捏ね繰り回してたんだな」と笑えたら良いなと思っている。